壁抜け男の謎

アリスガワアリスの短編集。短期新聞連載や、色んな雑誌に載ったのを集めたもの。
犯人当て推理小説、ある作家*1のトリビュート（内容や文章を似せている）、発表媒体にあわせた実験的小説、エロティシズムをテーマにしたアンソロジーに収録されていたものなど、モチーフ・題材・文体がバラバラ。

壁抜け男の謎

どの作品も結構短いので、隙間時間にサクサクと読んで楽しめました。
犯人当て小説は……犯人もトリックも見当がつきませんでした。というか、よく考えないで真相を読み始めちゃいました。
作家トリビュート系の小説は、トリビュートされている作家の作品を読んだことがないと、楽しみが半減ですよね。というわけなんで、私は残念な読者でした。いや、けど、本書の収録作を読んで、元ネタの方を読みたくなりましたね。
推理小説をうまく書ける人って、職業作家って感じがするなあ。

*1:横溝正史、中井英夫など