山白朝子短篇集 死者のための音楽

「幽」でデビューした作家の、初著作。短篇集。



……実は、とある作家の別ペンネーム、
という噂が、まことしやかに囁かれている。

山白朝子短篇集 死者のための音楽 (幽ブックス)

山白朝子短篇集 死者のための音楽 (幽ブックス)

おお。たしかに。
<乙>で始まって<一>で終わる作家に似てますね。
話の作り方が。
きっちり、四分の一ごとに、
起承転結がある、というところ。
作品の毛色も、似ている。
文章も、似ている(ひらがなを織り交ぜるところとか)。



「好きな作家は?」
と尋ねられたとき、
乙一!」と、真っ先に挙げていた過去もあるけれども、
いまは、違う。
好き、と思える小説の、タイプが変わってきた。
だから『ZOO』を読んでいたときのように、
夢中になって、何度も読む、という感じではなかった。



いや、けどおもしろかったですよ。
好きな作品は表題作と、「鳥とファフロッキーズ現象について」。



どの作品にも言えることだけど、
設定を考える発想力がすごい。
この設定がある時点で勝ちだな、みたいな。



来月の、書評担当本にならないことを祈ります。
だって、そしたら、この本がダブってしまう。
まあ、たぶん、ならないはず。
私の予想では、

↑書き下ろし。めっちゃ長いらしい。本屋大賞ねらい?

↑『新潮』に載ってたの。

↑『野性時代』で連載してたやつ。『鴨川ホルモー』の続編(スピンオフ?)。
あたりが課題図書になるはずだ。
そして、日本の本が4冊、ってことはないだろ、たぶん。……いや、あるかも。