ジョン・レノン対火星人

古本屋で買った新潮文庫版を読んだ
現在は講談社文芸文庫に収録されている。



デビュー作『さようなら、ギャングたち』より
先に書かれた作品
原題は『すばらしい日本の戦争

ジョン・レノン対火星人 (講談社文芸文庫)

ジョン・レノン対火星人 (講談社文芸文庫)

実は高橋源一郎の小説を最初から最後まで読んだのは初めて。
『1億3000万人のための小説教室』は読んだし、
書評や対談は、数え切れないくらい読んだし、
高橋源一郎作品に対する評論も読んだことあったけれど、
最初から最後まで通して、高橋源一郎の小説を読んだことはなかった。



何だろう、中原昌也的というか
いや、中原昌也の方が後だから、その言い方はおかしいけれど
とにかくまあ、そんなような感じの長編小説。
ああ、けど、中原昌也よりはストーリーがある……だろうか



形容しがたいものだけど、
たとえるなら、この小説は「散文的な詩」、かな。
言葉を使うセンスみたいなものが、常人とは違う感じ。



横浜が舞台。
途中、ちらっと「大船」という地名が出てきて、やけに興奮。
いやあ、だって小説に大船が出てくることってあんまりないからさあ



この小説がどんな感じなのかをつかんでもらうために
登場人物の名前を列挙してみる。
「パパゲーノ」
ヘーゲルの大論理学」
「テータム・オニール」
すばらしい日本の戦争
大体、伝わっただろうか



ちなみに「ジョン・レノン対火星人」というのは、サインのこと。*1

*1:冒頭で明かされます