神様のいない日本シリーズ

著者:田中慎弥
掲載:文學界2008年10月号

文学界 2008年 10月号 [雑誌]

文学界 2008年 10月号 [雑誌]

書籍化もしてます。
神様のいない日本シリーズ

神様のいない日本シリーズ

実は「図書準備室」が芥川賞候補になったころ(2年前?)、私はmixiで「田中慎弥」のコミュニティを作ったことがあります。ですが、誰も参加せず、なくなってしまいました(mixiのコミュニティでは、管理人以外に参加者が一人もいない状態が一か月続くと、コミュニティが消えます)。今、検索したらコミュニティがあって参加者も8人くらいいました。ちょっと残念な気分。



ともあれ、作品について。



香折って、本当はいないんじゃないの?
って思わせるよね。
ええと、部屋にこもる息子の香折に、ドアの前で延々と父親が話しかける話です。語り手である父親の父(香折の祖父)と、日本シリーズと、「ゴドーを待ちながら」の話。
たいへんおもしろかった。構造の複雑さと、いろいろな解釈ができそうなところが。あと、話の内容も普通におもしろい。
これも人と内容についてしゃべりたくなる作品だな。
今まで読んだ4作品の中では一番、芥川賞をとりそうな気がする……。でも、残り2作品読んでからだな。