女の庭

今年は芥川賞候補作を発表前に全部読むよ!
さっそく1つ目。
鹿島田真希芥川賞とったら、野間文芸新人賞三島賞とあわせて純文学系新人賞三冠っすね。



著者:鹿島田真希
掲載:文藝 2008秋号

文藝 2008年 08月号 [雑誌]

文藝 2008年 08月号 [雑誌]

書籍化もしてます。
女の庭

女の庭

 小学校低学年のころ、私が学校に行っている間に、専業主婦の母が何をしているのか疑問だった。まあ家事したりテレビ見たり買い物したりしてたんだろうけど、それだけ?それだけなん?ほかに何かしないん?とか聞いたこともある気がする。子供ながらに、母は毎日楽しいのだろうかとか考えたこともある。読んでてずっとそのことを思い出していた。
 もう一つ。時期としては重なっていると思うのだけど、私はその頃「死」についてそれこそ四六時中考えていた。身近な誰かが亡くなったわけでもないし、動物を飼ったこともないので、考え始めたきっかけがよくわからんのだけどとにかくずっと考えとって暗闇にたゆたう感じだった。寝る前なんかに考え始めるともうずるずるずるずるしていた。
 そんなこんなで何とも懐かしい気分になる小説だった。本来そういうふうになる作品かどうかは知らん。誤読万歳。



 あとは外国人っつーか何?異邦者?について考えてみたいけど今度にしよう。



 私は「言いようのない・言葉にできない気持ち(主に不安)」が描かれている作品が好きで、一人称主人公がだらだらと考えている作品もすきで、だからこの小説はすきなんだろうと思う。思うっつーのは、すきかどうかきちんと考える前に読み終わってしまったからで、そういやそもそもすきかどうかって考えて決めることではないよね。



 さらっとしていた。本当はざらざらしているのかもしれない。でも鹿島田真希は、もっとざくざくくる作品を書く人だと思っていたなあ。あんまりざくざくこなかった。
 芥川賞をとるかどうかは、候補の全作品を読んでから考えますか。