ウィワクシアの読書感想文

待ってたよ、ファウスト

ファウスト Vol.7 (2008 SUMMER) (7) (講談社MOOK) (講談社 Mook)

ファウスト Vol.7 (2008 SUMMER) (7) (講談社MOOK) (講談社 Mook)

とりあえず、一番最初に載っていた小説、佐藤友哉の短篇(中篇?)を読む。


  • ウィワクシアの読書感想文。

冒頭を引用してみる。

 みなさん、生きているか、絶滅したか、どちらかでしょうが、書きます。今はね、書けます。書けるようになったのです。ぼくは、いわゆる、馬鹿なのですが、それにしたところで、許されないのは、もちろん、解っています。さいきんは、馬鹿も、罰せられるのです。
 新しい年を、むかえてから、自分の中に、少しずつですが、物語を書く力が出てきたなと、感じます。つっかえ、つっかえ、ですが、こうしてまた、文章が、書けるようになりました。
 去年一年、物語を書けませんでした。

おお、おお。ぎゅんぎゅん来る。これはおもしろそうだ。
そういえば、佐藤友哉作品で、何らかの引用文がない始まりって、珍しいね。

現実が、物語を、こえてしまったのです。

途中から、ああやっぱりこういう展開になるのか、と。
でも、あれだ。書き手のくるしいくるしいくるしいくるしい感じが、伝わってきた。
良い小説だった。
何かが揺らされた。