風花

川上弘美と言うと、ちょっと不思議な世界観の作品を書く人というイメージがあったのだけれど。

風花

風花

結婚7年目。夫の浮気が発覚。わたし、離婚した方がいいのかな。
3年以上に渡り、文芸誌に少しずつ掲載されてきたこの作品は、その執筆ペースにあわせて、ゆっくり読むといいと思う。
現実のように、ゆるやかにゆるやかに流れていく時間。風呂場の落書き、靴下の形や色、ある人のふとしたときの表情、何度も思い出してしまう些細な出来事、ちょっと知ってるけど深くは知らない人々との関わりあい。
ディテールが面白かった。大事にしたい、と思える本だった。