カソウスキの行方

第138回芥川賞候補作。
著者:津村記久子
掲載:群像2007年9月号

群像 2007年 09月号 [雑誌]

群像 2007年 09月号 [雑誌]

カソウスキって、ロシア人かどっか
とりあえず外国の人の名前かと思ったら全然違った。
「仮想好き」だった。



後輩のために一肌脱いだつもりが、
逆にハメられて郊外の倉庫に飛ばされてしまった28歳独身のイリエ(♀)。
そこでの仕事はつまんないし、あんまりいいこともないし、
どうにも毎日おもしろくない。
待てよ。
「悪い人じゃない」同僚(同い年)を、自分の中で「好きだと仮定してみる」と、
ちょっとだけ楽しくなるんじゃないだろうか。
……という感じの話。



この小説で、津村記久子のファンになっちゃいました。
なんつーか、節々にユーモアがあります。
「仮想好き」って、おもろいね。真っ向から恋愛するのって、疲れるもんね。



長嶋有とか、イト山秋子の路線。
純文とエンタメを渡り歩けそうな感じ。これから追っていこうと思う。