雨の塔

「女による女のためのR18文学賞」でデビューした著者による、
2作目の単行本。書き下ろし。

雨の塔

雨の塔

外界から隔離された塔に住む、美しい少女たち*1
互いに無関心だったはずが、様々な感情が生まれ……



優れたスポーツ選手は「空間」を作ると聞いたことがある。
その人がいるだけで、その場の空気が変わるのだ。



この作品も「空間」を作っていた。
ぷうん、と甘い匂いが、匂い立つような雰囲気。
雨の日の、このままどこにも行けなさそうな感じ。
とてもとても狭い人間関係。そしてどうしようもない感情。



空気に、やられた。
読んでいる最中、
私も何かに閉じ込められた気がした。

*1:少女、と書いたけど、高卒の年齢