私の男

桜庭一樹を読むのは『砂糖菓子の〜』以来、2冊目。
この作品は「別冊文藝春秋」に連載していたもの。

私の男

私の男

おお!
これは、力の入った作品!
『砂糖菓子の弾丸は〜』は、あんまり印象に残らなかったけど、
これは、ずーんと来た。
すごい。
……なんか私、本の感想言うとき「すごい」ばっかり言ってる気がする
けど、本当にすごい。



全6章構成で、だんだん時間を遡っていく。
小説を読み進むにつれ、明かされる情報により
第1章や第2章で交わされていた科白の持つ意味合いが変わってきたりして、
物語の世界に、どんどん意識が沈められていった。
読後は、時系列順に読み返したくなった。



主人公の「花」が、私とおなじ1984年の生まれなので、
心情描写や、情景がつかみやすかったように思う。
これは、おもしろい効果だな、と思った。



小学生のときの「花」は、少し大人っぽすぎるような気がする……。