愛でもない青春でもない旅立たない
地元の私立図書館で借りました。
青春とか愛とか、さして中身のない言葉はいらない。誰かに愛されているのか、誰を愛しているのかだってわからない。旅立つこともない。僕は毎日自分のふつうの日常を散歩しているだけ。だから、歩くための道はあったほうがいい。時間も空も、足も。誰かのために歩いているわけじゃないけど。日常はそれなりに幸福で、それなりに不幸だし。今もどこかで誰かが死んでいて、どこかで誰かが生まれている。そしてすべての人は生を死に続けている。それにいちいち涙は流さない。ただ食べて、出して、オイシイとかマズイとか言いながら。僕は何者でここはいったいどこなのか?まあどうでもいいんだけど。リアルなことはあるとは思うけど。リアルな……たぶん、この小説は。僕らの時代の現実は、そう簡単には……。
この小説は、恋愛小説かもしれないし、純文学かもしれない。そうでないかもしれない。ここにあるのはいわゆる青春ではない、しかし、まぎれもなく青春小説だ。
(帯より)
- 作者: 前田司郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/09/16
- メディア: 単行本
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こんな感じ。こんな感じだよね、日常って。
「それなり」の毎日。
愛でもないし、青春でもないし、旅立ったりもしない。
主人公が22歳の大学生で、自分と一緒。
置かれている状況は全然違うけれど、
それだけで少し内容に親しみが湧いたり。
文章が好きだなー。
『恋愛の解体と北区の滅亡』も読むかー。