なきむしヒロコちゃんはかもしれない病かもしれない

いしいしんじが「絵と文」を担当した絵本。

絵に文字がいっぱい書き入れてあった。
絵にも文にも、いしいしんじらしさが出ている本。



小学校1年生のときのことを思い出した。



遠足で、フラワーセンターに行った。
どういう風に過ごしたかは全く覚えていないが、
終わった後の最初の授業で、遠足の絵を描いた。



私は「友達と、お弁当を食べているところ」を描いた。
そして、その絵の中に



「おいしい」



と、文字を書き入れた。
当時の私は、そのことを、変なことだとは全く思っていなかった。



絵が完成に近づいた頃、担任の林先生が、私の絵を見て
「あー、絵の中に、文字書いちゃったらだめだよ」
と言った後、少し小さい声で
「漫画ばっかり読んでるから『変だ』って思わないのかな」
と呟いた。



私はひどく恥ずかしくなり、その絵をやぶいてしまいたくなった。