さよならアメリカ

群像新人賞受賞作で芥川賞候補にも挙がった作品。

さよならアメリカ

さよならアメリカ

袋をかぶった男の話。
タイトルにアメリカと入っていますが、アメリカは関係ないです。
かぶってる袋に「SAYONARAアメリカ」と書いてあるだけです。



私も袋かぶってみたくなったなあ。
以下、ネタバレ含む感想。



この作品は純文学の賞を受賞しているわけですが
途中で「これは純文学なのか?」という疑問がうかぶ。



読んでいると途中で気付くんですけど
この小説の語り手の一人称主人公が、
いわゆる「信用ならざる語り手」というやつで
記述のうちのどこまでが現実で、どこからが想像かわからないんですよね。



そういう「叙述トリック」を使うのって、
エンタメじゃないの? とか思ってしまう。



しかし、2秒後に、
「別に『叙述トリック≠純文学』ではないし、
この小説の手法を『叙述トリック』とは言わないかもなー」と思う。



まあ何がどうあれ
おもしろかったので、この作者の次の作品も読んでみようと思いました。まる。